基礎研究部 サブリーダー
博士(工学)
2020年入社
大学院では工学系研究科で高分子系を専攻し、主に高分子の精密重合に取り組んでいました。
精密に重合された高分子は、非常にユニークな物性を持つことが特徴です。
それらの高分子が、細胞を含む生体システムにどのような影響を与えるのかについて研究を行ってきました。
アカデミアに在籍していた頃、私自身も細胞移植に関する研究に取り組んでいました。
その中で、移植方法の難しさや、細胞の規格化といった課題に直面し、細胞治療の実現には非常に高いハードルがあることを痛感していました。
そんな中で、当社の「再生誘導医薬®」というコンセプトを知り、それがまさに“夢のような薬”だと感じたことが、入社を決めた大きな理由です。
現在は、再生誘導医薬®に応答する間葉系幹細胞の可視化に取り組んでいます。
開発候補となる複数のペプチドは、それぞれ異なる薬効パターンを示します。
私は、それぞれの薬効に相関する間葉系幹細胞の挙動を捉えることを一つのゴールとして、日々研究を進めています。
新しい実験系や評価系がうまく機能したときに、大きなやりがいを感じます。
研究は思い通りに進まないことの方が多いですが、だからこそ試行錯誤を重ねてうまくいったときの達成感はひとしおです。
その“生みの苦労”があるからこそ、喜びも大きく感じられます。
一番苦労するのは「計画を立てること」です。
私にとって、実験は計画の段階でほぼ終わっていると考えています。
そのため、うまくいかない前提で実験計画を立て、失敗したときに備えて次の手をどうするか、バックアップも含めて考え抜く必要があります。
特に難易度の高い実験では、計画立案に数週間かかることもあり、大変ですが非常に重要なプロセスだと思っています。
前職のアカデミアでは裁量労働制でしたが、当社はフレックスタイム制で、コアタイム(10〜15時)が設定されています。
完全な自由ではないものの、一定の時間枠があることで生活リズムが整いやすく、むしろ働きやすいと感じています。
アカデミアは、良くも悪くも「自由」である点が特徴です。
一方で企業では、明確なゴールがあり、限られた期間の中で成果を出すことが求められます。
その分、計画性や柔軟な思考が必要ですが、私はこのスタイルが性に合っていると感じています。
9:00 | 出社 |
9:00~9:30 | メールチェック |
10:00~13:00 | 実験 |
13:00〜14:00 | 休憩 |
14:00〜16:00 | 会議/打ち合わせ |
16:00~17:00 | 実験 |
17:00~18:00 | データ整理/メールチェック |
18:00 | 帰宅 |
データを整理しながら、翌日のスケジュールや今後の計画を考えるのが日課です。