ごあいさつ
近年の社会・生活の変化はとても早く、多様な分野にて新しい時代へと動き始めています。
バイオベンチャー業界も様々な変化が発生しており、2014年の再生医療等製品における条件および期限付き承認制度の導入をはじめ、2015年の先駆け審査指定制度導入、2017年の早期承認制度の導入など、特に重篤性、希少性の高い疾患における医薬品の承認速度が速まり、患者の皆さまの疾患に有効な医薬品誕生の可能性が高まりつつあります。
こうした中、2006年に大阪大学大学院医学系研究科の玉井克人教授らが同定した骨髄多能性幹細胞動員因子を医薬品として開発することを目的に設立した当社は、創業より一貫して難治性疾患の治療を可能とする機能的組織再生促進薬「再生誘導医薬®」の開発に取り組んでまいりました。
現在は、表皮水疱症、脳梗塞、心筋梗塞/心筋症などの多様な疾患に適応する再生誘導医薬®、幹細胞遺伝子治療に経営資源を集中させています。
「再生誘導医薬®」が持つ潜在能力は限りなく大きく、世界に類を見ないコンセプトにより様々な疾患に適応する可能性がある、画期的な新薬になる可能性を秘めています。
我々ステムリムは「再生誘導医薬®」を用いて世界をリードするバイオベンチャーになるべく、これからも挑戦し続けます。
表皮水疱症などの難病をはじめとした病に苦しむ世界中の患者さんに1日も早く笑顔をお届けできるよう開発に邁進いたします。
またステークスホルダーの皆様におかれましては、さらなる研究の発展を目指す弊社に引き続きご指導・ご鞭撻の程、何卒宜しくお願い申し上げます。
代表取締役社長CEO 岡島正恒
企業使命
再生誘導®で難治性疾患を克服する
株式会社ステムリムは、生命科学者の自由闊達な研究活動を通じて、難病に苦しむ世界中の患者さんに革新的な新薬を提供し続ける挑戦的バイオテクノロジー企業を目指します。
人体が本来備えている組織修復能力を最大限に引き出す「再生誘導医薬®」をはじめとした最先端生命科学研究の成果をもとに、新しいコンセプトの治療薬を生み出し続けることで、世界の健康と幸福の実現に貢献します。
企業概要
企業名 | 株式会社ステムリム (StemRIM Inc.) ※社名の由来は Stem cell Regeneration-Inducing Medicine(=再生誘導医薬®)より |
設立年月日 | 2006年10月30日 |
代表 | 岡島 正恒(代表取締役社長CEO) |
社員数 | 69名(2025年4月時点、派遣社員含む) |
資本金 | 116百万円(2025年4月末時点) |
マネジメント紹介
代表取締役社長CEO
1991年㈱住友銀行(現㈱三井住友銀行)入行。1996年住友キャピタル証券㈱、1999年大和証券SMBC㈱(現大和証券㈱)にて従事。
2006年メディシノバ・インク執行役副社長・東京事務所代表。
2019年3月より当社代表取締役社長COOに就任。
2020年8月代表取締役社長執行役員を経て、2023年10月より現任。
東京理科大学理工学部経営工学科卒。
取締役CSO(Chief Scientific Officer) 基礎研究部 部長
1990年弘前大学大学院医学研究科博士課程修了。同年弘前大学医学部附属病院皮膚科助手。青森県立中央病院皮膚科、弘前大学医学部皮膚科助手などを経て、1991年米国ジェファーソン医科大学皮膚科留学。
1996年弘前大学医学部附属病院皮膚科講師、2003年大阪大学大学院医学系研究科遺伝子治療学助教授。
2006年当社設立。2009年大阪大学大学院医学系研究科再生誘導医学寄附講座教授。
2022年10月より当社取締役、2023年10月より当社取締役CSOに就任。
社外取締役
1995年CSKベンチャーキャピタル株式会社(現ウィズ・パートナーズ株式会社)、2014年株式会社ディー・エヌ・エーヘルスケア事業本部、2020年より一般財団法人社会変革推進財団 インパクトオフィサー、事業推進部ヘルスケアチームチームヘッド、2024年NTTプレシジョンメディシン株式会社、 2025年同メディカルサービス事業部 事業推進室長を歴任。
株式会社サンシェフレラ代表取締役、認定NPO法人deleteC理事。
2019年10月より当社社外取締役。
社外取締役
2001年4月厚生労働省医薬食品局 入省。2003年~2005年に福岡県保健福祉部薬務課出向、2012年~2014年に独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)医療機器審査第一部出向、2014年~2016年に株式会社産業革新機構戦略投資グループ健康・医療チーム出向。
株式会社京屋取締役、株式会社ポル・メド・テック取締役、PRDM株式会社取締役、リージョナル・フィッシュ株式会社監査役。
2020年10月より当社社外取締役。
常勤監査役
1975年米国ユニロイヤル社を経て1985年日本イーライリリー入社。
エアンコアニマルヘルス事業部長や執行役員事業開発部長を歴任し、
2008年塩野義製薬 海外事業推進部長。
2017年10月より当社常勤社外監査役。
監査役
監査法人サンワ東京丸の内事務所(現トーマツ)公開支援部門パートナー、同横浜事務所所長として、株式公開準備、上場企業の監査・財務調査等に関与。
水上亮比呂公認会計士事務所代表、株式会社レックスアドバイザーズ取締役、工藤建設株式会社監査役、コージンバイオ株式会社取締役。
2019年10月より当社社外監査役。
監査役
㈱住友銀行(現㈱三井住友銀行)、住友キャピタル証券㈱エクイティ部長、大和証券SMBC㈱名古屋事業法人部部長、㈱三井住友銀行プライベートバンキング営業第二部長、㈱青山財産ネットワークス監査役を歴任。
2019年10月より当社監査役。
執行役員 シーズ探索部・医薬研究部・知財部 部長
2002年弘前大学医学部生化学第2講座助手、2003年大阪大学大学院医学研究科遺伝子治療学産学官連携研究員等を歴任。
2007年4月当社取締役、2010年4月当社代表取締役社長、2018年4月当社取締役、2019年1月当社取締役副社長、2020年8月より副社長執行役員。
2022年8月より現任。
ビジネスモデル
当社が創業以来、大阪大学との共同研究を通じて、その実現を目指し研究開発に取り組んできた「再生誘導医薬®」は、怪我や病気により損傷し機能を失った生体組織の機能的再生・治癒を促進する、これまでにない全く新しい作用メカニズムにもとづく医薬品です。
再生誘導医薬®は、従来型の再生医療/細胞治療とは異なり、生きた細胞の投与を必要とせず、物質=医薬品の投与によって、患者自身の体内に存在する幹細胞を活性化する方法で、より簡便かつ安全に、治療効果の高い再生医療を実現します。再生誘導医薬®開発により、生きた細胞製剤では難しい安定した品質による迅速な再生医療を実現する製品供給が可能となることから、広く普及可能な新しい再生医療となり得ます。
再生誘導医薬®の投与によって患者の体内で誘導される幹細胞は、血液循環を介して体内を巡り、損傷した組織特異的に集積します。損傷部位に集積した幹細胞は、神経や皮膚、骨、軟骨、筋肉、血管など、様々な種類の組織に分化する能力を有するため、再生誘導医薬®という共通のプラットフォームによって、脳梗塞や脊髄損傷などの中枢神経系疾患、心筋梗塞や心筋症などの循環器系疾患、難治性皮膚潰瘍などの上皮系疾患、難治性骨折などの間葉系疾患など、組織損傷をともなう数多くの難病に対して幅広い治療効果をもたらすことが期待されます。
収入形態 | 内容 |
---|---|
契約一時金 | 共同研究やライセンス許諾の契約時に一時金として得られる収入 |
マイルストーン収入 | 医薬の開発段階毎に設定した目標(開発マイルストーン)を達成するごとに得られる一時金収入。また、製品上市後に、売上高に対する目標値(販売マイルストーン)を達成するごとに得られる一時金収入 |
ロイヤリティ収入 | 製品が上市された後に、ライセンス許諾の契約を締結した製薬会社より当社製品の売上高に対して予 め契約によって設定した一定割合を得られる収入 |
共同研究収入 | 当社の知的財産を活用した共同研究の実施と対価として得られる収入 |
拠点一覧
〒567-0085
大阪府茨木市彩都あさぎ7丁目7-15
彩都バイオインキュベータ3階
TEL 072-648-7152
〒565-0871
大阪府吹田市山田丘2-2
大阪大学医学系研究科附属
最先端医療イノベーションセンター8階
〒565-0871
大阪府吹田市山田丘2-8
大阪大学テクノアライアンス棟6-7階
コーポレート・ガバナンス
当社は、「新しいコンセプトの治療薬を生み出し続けることで、世界の健康と幸福の実現に貢献」することを企業使命としており、この企業使命を実践・実現し、企業価値の更なる向上をしていくためには、コーポレート・ガバナンスの充実と強化が経営の重要課題であると認識しております。
また、経営環境が変化する中において、永続的な発展と成長、持続的な企業価値の最大化を目指し、株主をはじめとするすべてのステークホルダーからの信頼を得るため、経営の健全性・効率性を確保すべく、最適な経営管理体制の構築に努めるとともに、経営監視機能の充実と適切な情報開示による透明性の高い経営の確保に努めております。
当社の取締役会は、取締役4名(うち社外取締役2名)で構成されております。取締役会は定時の月次取締役会を毎月1回、また必要に応じて臨時の取締役会を開催し、迅速な経営上の意思決定を行える体制としております。また、法令・定款に定められた事項のほか、経営に関する重要事項を決定するとともに各取締役の業務執行の状況を監督しております。取締役には、製薬業界及び企業経営に精通した人材を登用しており、取締役会の経営監視機能は強化されております。
当社は、監査役会制度を採用しており、監査役会は監査役3名(うち社外監査役3名)で構成され、うち1名は常勤監査役であります。監査役は、取締役会に出席し、必要に応じて意見を述べるほか、取締役の職務執行を監査しております。監査役会は原則として毎月1回の定例の監査役会を開催するほか、必要に応じて臨時の監査役会を開催し、監査計画の策定、監査実施状況、監査結果等の検討等、監査役相互の情報共有を図っております。
当社のコーポレート・ガバナンス体制の模式図は次のとおりであります。
当社の内部統制システムに関する基本的な考え方及びその整備状況を以下のとおり定め、各職務を執行しております。
(a) 取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
(b) 取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
(c) 損失の危険の管理に関する規程その他の体制
(d) 取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
(e) 監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する体制
(f) 前記(e)の使用人の取締役からの独立性に関する事項
(g) 取締役及び使用人が監査役に報告するための体制その他の監査役への報告に関する体制
(h) その他の監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
(i) 反社会的勢力排除に向けた体制
当社は、業務の適正な運営や不正防止を図ること等を目的として、内部監査担当者(2名)を任命し、内部監査に関する基本事項を定めた「内部監査規程」に基づき、内部監査を行う体制としております。内部監査担当者は、毎期計画的に各部の業務の遂行状況について監査を行うとともに、法令・社内諸規則の遵守やリスクの予防の状況を検証しております。また、内部監査指摘事項の改善状況を定期的に確認することで実効性の高い監査の実施に努めております。
監査役は、監査役会で策定した監査計画に基づいて、取締役会への出席、会社財産及び業務の調査、代表取締役との定期的な面談等を通じて取締役の業務執行を監視し、実効的な監査を実施しております。
また、監査役、内部監査担当者及び会計監査人はそれぞれと意見交換を行うなどの連携を行い、監査の有効性及び効率性を高めております。
当社は社外取締役2名及び社外監査役3名を選任しております。
社外取締役及び社外監査役は、業務執行の妥当性、適法性を客観的に評価是正する機能を有しており、企業経営の監督機能の強化のために重要な役割を担っております。社外取締役は、議決権を有する取締役会の一員として、審議及び決議に参加することで、取締役会としての監視機能の向上に努めております。また、社外監査役の取締役会での発言は、経営の透明性、客観性及び適正性の確保に貢献しております。
当社では、社外取締役及び社外監査役の独立性に関する具体的基準は定めていないものの、東京証券取引所の独立役員の独立性に関する判断基準等を勘案したうえで、当社との利害関係及び経歴を踏まえ、当社から独立した客観的な立場で職務遂行できる者を選任しております。
また、社外取締役及び社外監査役は、それぞれの監督又は監査に当たり、必要に応じて監査役、内部監査担当者及び会計監査人と協議・報告・情報交換を行うことにより、相互連携を図っております。
沿革
2006
10月
大阪大学大学院医学系研究科の玉井克人教授らが同定した骨髄多能性幹細胞動員因子を医薬品として開発することを目的に株式会社ジェノミックス(Genomix Co., Ltd.)設立。
2007
4月
大阪大学との共同研究を開始。
2008
10月
独立行政法人 科学技術振興機構(JST)産学共同シーズイノベーション化事業に採択。
2009
12月
独立行政法人 科学技術振興機構(JST)A-STEP本格研究開発ハイリスク挑戦タイプに採択。
2010
4月
本社を彩都バイオインキュベータ(大阪府茨木市)に移転。彩都ラボ開設。
塩野義製薬株式会社と骨髄由来幹細胞動員因子に関する共同研究契約締結。
2011
11月
独立行政法人 科学技術振興機構(JST)A-STEP本格研究開発シーズ育成タイプに採択。
2012
6月
神戸ポートアイランド内に神戸ラボ(兵庫県神戸市)を開設。疾患モデル動物を用いた薬効試験の実施体制を強化。
2013
7月
彩都バイオインキュベータ内のラボを増床。加えて自社の動物飼育/実験施設を開設し、神戸ラボの機能を吸収。
2013
12月
独立行政法人 科学技術振興機構(JST)A-STEP本格研究開発シーズ育成タイプに採択。
大阪大学の早期探索的臨床試験拠点整備事業と連携し、医師主導治験を支援。
2014
4月
大阪大学最先端医療イノベーションセンターの共同研究プロジェクトに採択(テーマは「体内再生誘導医薬開発のための非臨床試験及び新規候補物質の探索」)。大阪大学ラボ開設。
2014
5月
独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)2013年度イノベーション実用化ベンチャー支援事業に採択。
2014
11月
塩野義製薬株式会社とHMGB1ペプチド(レダセムチド)に関するライセンス契約締結。
2015
8月
大阪大学にてレダセムチドに関する医師主導治験(第Ⅰ相臨床試験)開始。
2017
12月
レダセムチドに関する表皮水疱症を対象とする医師主導治験(第Ⅱ相試験)開始。
2018
7月
株式会社ステムリム(StemRIM Inc.)に社名変更
2019
4月
レダセムチドに関する脳梗塞を対象とした企業治験(第Ⅱ相試験)開始
2019
8月
東京証券取引所マザーズに株式を上場
2020
4月
レダセムチドに関する栄養障害型表皮水疱症を対象とした医師主導治験(第Ⅱ相試験)終了。
2020
6月
大阪大学吹田キャンパス内に「再生誘導医学協働研究所(床面積1,540㎡)」を開設。
2020
9月
AMED公募課題「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する治療薬開発(3次公募)」採択。
2020
11月
新潟大学にてレダセムチドに関する慢性肝疾患を対象とした医師主導治験(第Ⅱ相試験)開始。
2020
11月
弘前大学にてレダセムチドに関する変形性膝関節症を対象とした医師主導治験(第Ⅱ相試験)開始。
2021
2月
株式会社資生堂及び大阪大学との皮膚のアンチエイジングに関する三者間共同研究契約締結。
2022
7月
レダセムチドに関する栄養障害型表皮水疱症を対象とした医師主導治験(追加第Ⅱ相試験)開始。
2023
3月
日本、北米にてレダセムチドに関する脳梗塞を対象としたグローバル後期第Ⅱ相治験開始。
2024
3月
レダセムチドに関する虚血性心筋症を対象とした医師主導治験(第Ⅱ相試験)開始。